目的

京都大学犬山第2キャンパス(リサーチリソースステーション RRS)は、平成18年度にオープンしました。
官林地区にある犬山キャンパスの東約2km、善師野地区の約10haの敷地に3式の放飼場、管理棟、育成棟(グループケージ)5棟、汚水処理施設などを備え、現在約300頭のニホンザルを飼育しています。
1.自然の地形や樹木をそのまま活かし、可能な限り野生に近い環境でニホンザルを群れ飼育し、行動、生態、社会、繁殖などの情報収集を行うこと、2.全国の研究機関に研究用ニホンザルを提供する文部科学省補助金事業「ナショナルバイオリソースプロジェクト(NBRP)「ニホンザル」」に貢献することを目的としています。

放飼場のサルたち

放飼場のサルたち

環境への配慮

管理棟からの生活排水、飼育施設からの動物排水は浄化槽および排水処理施設で浄化され、施設外へは流出しないよう管理されています。浄化処理後は排水貯留槽に蓄えられ、一定量以上の水位に達すると自動的に作動するポンプで、放飼場内に散水されるようになっています。さらに土壌の流出を防ぐため、貯留槽の下流には施設内に降った雨水を蓄える調整池も設けられています。
浄化槽の定期点検に加え、貯留槽、調整池、下流の農業溜池で、水質のモニタリングを実施しています。

排水フロー図

個体の管理と動物福祉への取り組み

放飼場の群れは毎日決まった区画で給餌され、職員が1頭ずつ健康状態を確認しています。さらに給餌区画の入り口にマイクロチップゲートを設置し、各個体の通過記録が常に管理棟のサーバーに送られ、モニターからも確認できるようになっています。病気やケガの治療のため、個室に移動させる必要が生じれば、給餌区画のゲートを閉じ、移動させたい個体を捕獲用のケージに追い込んで、安全に捕獲、移動ができるようになっています。

マイクロチップゲート

マイクロチップゲートを通るサル

立体構築物

放飼場内の立体構築物

放飼場でもケージ内でも、サルたちが心身ともに健康な生活を送れるよう、飼育環境の質を豊かにする様々な試みを続けています。

パズルフィーダー

パズルフィーダー

採食エンリッチメント

中身は何かな? 放飼場に届いたサルへのプレゼント